マイホームを探すとき、物件価格や購入時の諸費用は当然気になるところですが、購入した後の維持費も重要になってきます。
賃貸と異なり、家を買うと税金や修繕費などの維持費が多くかかってくるため、住宅ローンの支払い以外の出費を考えずに買ってしまうと生活費を圧迫してしまう可能性があります。
また、マンションと一戸建てでは維持費の内訳が大きく異なります。今回はマンションと一戸建て、それぞれの購入後の維持費についてご紹介させていただきます。
目次
マイホームを購入してから必要となる費用とは?
一戸建てやマンションは、購入した後から住宅ローンとは別に、住宅を維持するためのさまざまな費用がかかってきます。
共通する費用とは?
たとえば、マンション、一戸建てのどちらにも共通する費用としては、固定資産税や都市計画税といった税金、火災保険・地震保険などの保険料があります。これらは住宅を所有している限り、継続して負担する費用となります。
マンション購入後の費用とは?
マンションの場合、建物や共用部分の維持・管理をするための「管理費」や、将来、大規模な修繕が必要になった時のために蓄えておく「修繕積立金」が毎月かかってきます。また、駐車場代・駐輪場代が必要なこともあります。
一戸建て購入後の費用とは?
一戸建ての場合は、マンションのような管理費や修繕積立金などの月々の支払いはありません。しかし、外壁や屋根、給湯器などの設備の修理・交換が必要になった際は、その都度まとまった費用が発生します。
そのため、もしもの時に備えて、日頃から計画的に貯蓄をしておく必要があります。
次の章より、マンション購入後にかかる維持費、一戸建て購入後にかかる維持費を、それぞれ具体的にご説明します。
マンション購入後にかかる維持費
マンションを購入した場合、住宅ローンの支払い以外に毎月発生する管理費や修繕積立金、毎年発生する税金、契約プランごとに1年ごと~5年ごとに発生する火災保険の支払いなどがあります。
まずは、これらの費用と支払い頻度について簡単にご紹介します。
管理費(毎月)
管理費とは、マンションの共用部分を維持・管理するための費用のことです。エレベーターや自動ドアなどの電気代や点検費用、共用部の清掃や管理人の人件費などに使われます。
管理費用は月1万~2万円が相場と言われており、一般的に住戸の専有面積などを基準にして負担額が決められるため、マンション内の広い住戸ほど高くなる傾向にあります。
修繕積立金(毎月)
修繕積立金は、将来の大規模な修繕工事に備えて住民全員で積み立てる費用です。外壁塗装や防水工事、エレベーターなど共用設備の交換、災害でこわれた箇所の補修などの費用に充てられます。
金額は1万~3万前後が相場といわれており、こちらも一般的には専有面積のひろさに応じて住戸ごとの負担額が決められます。
修繕積立金の積み立て方には大きく2種類あり、毎月の金額を一定とする均等積立方式と、築年数の経過とともに金額を上げていく段階増額積立方式があります。
駐車場代・駐輪場代(毎月)
駐車場や駐輪場を利用しない場合、この費用は掛かりません。また、駐車場代、駐輪場代が全戸数分用意されている場合や、管理費に含まれていることで、追加費用はかからないマンションもあります。
都心部のマンションの多くは、駐車場の数が全戸数分用意されていない場合が多いため、空き状況によって契約できるかどうかが変わります。もしすでに契約が満杯の場合は借りることが出来ず、キャンセル待ちとなるケースがあります。
なお、駐車場代や駐輪場代の金額は、地域によって大きく異なりますので物件情報でしっかりと確認することが大切です。
固定資産税(年1回)
固定資産税とは、所有している土地・建物にかかる税金です。土地や建物を毎年1月1日時点で所有している限り、原則として毎年課税されます。
固定資産税は、物件の所在する都や市区町村に収めます。固定資産税の計算式は「課税標準額 × 税率(標準税率1.4%)」で計算できます。
都市計画税(年1回)
都市計画税とは、毎年1月1日時点で市街化区域内に土地や建物を所有していれば課せられます。市街化区域外であれば、原則として課税されません。
都市計画税は基本的に固定資産税とあわせて都や市区町村に収めます。都市計画税の計算式は「課税標準額 × 税率(上限0.3%)」で計算できます。
火災保険(契約内容次第)
火災保険とは、火事や台風などの自然災害などによって、建物や家財に生じた損害を補償する保険のことです。
マンション購入時に加入が必須というわけではありませんが、住宅ローンを利用する場合は、火災保険の加入が金融機関の融資条件になっていることが多く、その場合は加入及び継続は必須となります。
火災保険は2026年9月現在、最長契約期間は5年となっているため5年を超える契約は出来ず、満期のたびに更新や再契約が必要となります。支払いサイクルは毎月払いと一括支払いがあり、最長は5年契約一括払いとなります。
地震保険(契約内容次第)
地震保険は、地震・噴火・津波などによる建物や家財の損害を補償する保険です。政府と民間の損害保険会社が共同で運営しており、どの保険会社でも内容は同じとなります。
地震保険は単独での加入がおこなえず、必ず火災保険とセットでの加入になります。そのため、契約期間が最長5年で支払いサイクルは毎月払いと一括払いの2種類あり、支払いは火災保険の支払いと同時に支払います。
専有部分の修繕費(故障時に都度)
マンションの専有部分とは、購入した部屋の室内のうち、構造壁・床・天井の内側にある部分のことです。専有部分に含まれず、マンションの共用部分に該当するものとして、玄関のドア・窓ガラスやさっし・バルコニー(ベランダなど)が該当し、これらは専用使用権が設定されます。
専有部分の修理・修繕・買い替えは自己負担となります。専有部分にあり、将来的に故障や劣化などで修理や交換が必要になる設備として、給湯器、エアコン、コンロ、備え付け食洗機、トイレ、浴室設備などがあります。
これらは故障などのたびに支払いが発生します。
一戸建て購入後にかかる維持費
一戸建てを購入した場合、マンションのように毎月支払いが発生するものはありません。管理費や修繕積立金などがないため、破損や故障が発生するたび大きな出費となってしまいます。
共通する支払いとしては毎年発生する税金、契約プランごとに1年ごと~5年ごとに発生する火災保険の支払いなどがあります。
ただし、外壁の塗り替えや雨漏りなどが発生した場合、マンションは修繕積立金がありますが、一戸建ての場合一括支払いが必要となるなどの違いがあります。
固定資産税・都市計画税(年1回)
固定資産税はマンションと同様で、土地や建物を所有している限り毎年納めなければならない地方税となります。
都市計画税もマンションと同様で、土地や建物が市街化区域内にあれば課税され、市街化区域外であれば原則として課税されません。
基本的な計算式は固定資産税・都市計画税ともにマンションと同じとなりますが、土地と建物の持ち分の割合を計算する算定方法はことなります。
火災保険・地震保険(契約内容次第)
火災保険もマンションと同様に、住宅ローンを利用する場合に融資条件に入っていれば必要となり、地震保険は任意となります。
火災保険の補償範囲はマンションと一戸建て違いがあります。マンションの場合、共用部分は管理組合が加入するため、専有部分のみの加入となるのに対し、一戸建ては建物と敷地内の構造物すべてが対象となります。
また、火災保険と地震保険はともに構造によって保険料が変わるため、木造の一戸建てと鉄筋コンクリート造(RC造)では、鉄筋コンクリート造の方が保険料率は低く設定されるため、支払額は安くなります。
※ただし、木造でも条件を満たすと鉄筋コンクリート造と同じ保険料率で扱われるケースがあります
建物や設備などの補修・修繕・買い替え費(故障時に都度)
一戸建ての場合、マンションのように管理組合などが毎月積み立ててくれるわけでは無いため、もしもの時のために自分で費用を貯蓄しておくことが重要になります。
たとえば、建物であれば外壁や屋根の塗装や防水、設備であれば給湯器やキッチン、エアコン、トイレなどの修理や交換などは数年~十数年に1度修繕や交換時期が来るといわれています。
設備の耐用年数と修繕費の目安
給湯機やトイレ、エアコンなどの設備はいつか修理や交換が必要になる時期がきます。
設備によって耐用年数や交換時期が異なるため、あらかじめ把握しておくと将来の修繕費を準備しやすくなります。設備の交換時期の目安のひとつに期待耐用年数というものがあります。
税務上の耐用年数である法定耐用年数とはことなります。下記の表で、修繕が必要な設備や建物の箇所と、期待耐用年数・修繕費の目安を一覧でご紹介させていただきます。
期待耐用年数とは?
本来の性能維持が期待できる年数で、実用の目安となる予測期間のことを指して使われます。メーカーの試験データなどから導き出されています。
法定耐用年数とは?
期待耐用年数とはことなり、設備の寿命(設備が実際に使用できる期間そのもの)を示すものではありません。法定耐用年数とは、税務上、減価償却をおこなう際に用いる年数で、減価償却資産の資産価値が帳簿上から消滅するまでの期間のことをいいます。実際に使用できる期間ではありません。
資料:国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_01.pdf
マンションと一戸建共通の修繕:耐用年数と修繕費の目安
| 項目 | 期待耐用年数の目安 | 修繕費の目安 |
|---|---|---|
| 給湯器 | 10~20年 | 15万~30万円程度 |
| トイレ | 20~30年 | 15万~30万円程度(内装工事を含む場合は40万~50万円程度) |
| 浴室設備 | 20~30年 | 80万~150万円程度(ユニットバス全体交換の場合) |
| 壁紙・床 | 20~30年 | 数万円~数十万円程度(面積・グレードにより変動) |
| 洗面化粧台 | 20~30年 | 10万~30万円程度 |
| エアコン | 10~15年 | 5万~20万円程度(本体・設置工事費込み) |
| 食洗機 | 10年前後 | 10万~20万円程度 |
| コンロ | 10年前後 | 5万~30万円程度(ガス・IHの種類により変動) |
※出典:給湯器~洗面化粧台までの耐用年数の目安は、国土交通省「内外装・設備の標準的な期待耐用年数の導出について(中間報告)https://www.mlit.go.jp/common/001023778.pdf」を参考に作成。修繕費の目安は各種リフォーム会社が公表する見積もりデータをもとに作成した概算です。実際の費用は建物の状況や依頼先により異なります。
一戸建のみの修繕:耐用年数と修繕費の目安
| 項目 | 期待耐用年数の目安 | 修繕費の目安 |
|---|---|---|
| 外壁 | 25~40年(塗装は10~15年ごと) | 80万~150万円程度(延床30坪・塗装の場合) |
| 屋根 | 25~40年 | 80万~250万円程度(塗装~葺き替えまで、工法により幅あり) |
| バルコニー・ベランダ | 30~40年 | 15万~30万円程度(防水工事の場合) |
| 雨樋 | 20~30年 | 20万~40万円程度(全体交換の場合) |
| 給排水管 | 30~40年 | 数十万~100万円程度(配管の規模により変動) |
| シロアリ防除 | 5年ごとが目安 | 15万~40万円程度(延床30坪の目安) |
※出典:外壁・屋根・バルコニーの耐用年数の目安は、国土交通省「内外装・設備の標準的な期待耐用年数の導出について(中間報告)https://www.mlit.go.jp/common/001023778.pdf」を参考に作成。修繕費の目安は各種リフォーム会社が公表する見積もりデータをもとに作成した概算です。実際の費用は建物の状況や依頼先により異なります。
維持費の違いを比較
マンションと一戸建て、それぞれ購入した際の維持費は一体いくらになるのでしょうか。30年間の維持費の目安となる金額を一戸建て・マンションは以下となります。
30年間の維持費の例
| 項目 | 一戸建て(30年間 / 年あたり) | マンション(30年間 / 年あたり) |
|---|---|---|
| 管理費 | 0円 | 約360万~720万円 (月1万~2万円) |
| 修繕積立金 | 0円 (都度支払い) |
約360万~1,080万円 (月1万~3万円) ※国交省調査の全国平均は月13,054円 |
| 駐車場代 | 0円 (自己所有の敷地を想定) |
0円~1,800万円 (所有する場合、月数千円~5万円) |
| 固定資産税・都市計画税 | 約300万~450万円 (年10万~15万円) |
約240万~360万円 (年8万~12万円) |
| 火災保険・地震保険 | 約90万~270万円 (年3万~9万円) |
約30万~120万円 (年1万~4万円) |
| 修繕費 [外壁/屋根/水回り設備等] |
約300万~600万円 | 約150万~250万円 (専有部分) |
| 合計目安 | 約690万~1,320万円程度 | 約1,410万~4,920万円程度 |
※上記はあくまで想定金額となっており実際の金額を保証するものではありません。
維持費はマンションの方が高い傾向にある
実際の維持費用は地域・物件の広さ・購入したときの築年数・設備が故障するまでの年数・定期メンテナンスや定期点検の有無などによって左右されます。
しかし、維持費だけを比較した際はマンションの方が一戸建てよりも高くなる傾向にあります。
維持費を抑える方法
維持費が安くなる物件・新築や築浅の物件を選ぶ
マンションの場合、管理費や修繕積立金、駐車場代が安い物件を選ぶことで、毎月必要な維持費を抑えられます。特に新築や築浅の物件であれば、建物や設備が比較的新しく、当面は大きな修繕が発生しにくいため、修繕積立金は低めに設定されている場合もあります。
ただし、修繕積立金は将来的に値上げされるケースもあるため、購入時の金額だけで判断するのは注意が必要です。長期修繕計画を確認し、今後どの程度値上がりする可能性があるかもチェックしておきましょう。
切り替え時に火災保険をしっかりと見直す
火災保険は、2026年9月現在、最長5年契約となっています。支払いは毎月の支払いと一括払いを選ぶことができますが、同じ保険会社で同じ条件の保険の場合、5年契約の一括払いが最も保険料総額の支払いが安くなります。
また、契約を更新・切り替える際に補償内容や保険料を見直すことで、保険料を抑えられる可能性があります。
メンテナンス(手入れ)や掃除をこまめにおこなう
日頃のメンテナンスや掃除をおこなうことで、設備は長持ちしやすくなります。
特に高額な設備は、まるごと買い替えとなると家計への負担も大きくなります。少しでも設備を長く使い、万が一故障した場合も部品交換などで対応できるように、日頃からこまめに掃除や手入れをしておくことが大切です。
設備の交換やリフォームは相見積もりで比較する
設備の交換やリフォームを検討する場合は、複数の業者から相見積もりを取り、比較することも大切です。見積もりの金額だけでなく、工事内容・設備・アフターサービスなども確認し、納得できる業者を選びましょう。
まとめ
同じような条件の場合、購入後の維持費は一戸建てよりもマンションのほうが高くなる傾向にあります、
原因として考えられる要因は、管理費や修繕積立金、駐車場代など一戸建てにはない毎月定額支払いがあり、特に車を所有している場合は駐車場代が多くかかってしまいます。
しかし、実際の維持費は物件によって異なりますので、ご検討の際は物件探しの際にお気軽にご質問ください。















