今の住まいを売って、新しい住まいを購入する買い替えは、物件探しと売却活動を同時期におこなうため、スケジュール調整が重要になってきます。
また、購入を先に行うのか、それとも売却を先に行うのかによっても異なります。今回は、住まいの買い替えにおけるタイミングや流れについてご紹介させていただきます。
目次
買い替えを考えるきっかけ
住まいの買い替えを考えるきっかけはライフステージの変化や環境の変化などがあります。
家族の変化や子どもの成長
- 結婚や出産によって家族が増えて家が手狭になったため。
- 子どもの成長にあわせて子育てに良い環境へ移りたくなったため。
- 子どもが少し遠方の学校へ通うことになったため。
- 子供が巣立ち、部屋数が余ったため。
暮らし方や働き方の変化
- 転勤によって引っ越さなければならなくなったため。
- リモートワークが可能になり郊外へ移住するため。
- 定年退職し暮らしやすい場所へ移住するため。
- 巣立った子どもと同居することになったため。
- 収入が増加(減少)し、それに見合った支出にするため。
住宅や周辺環境の変化
- 建物の老朽化が進み買い換えた方がいいと感じたため。
- 昔と比べて街の雰囲気や治安が変わり住みづらさを感じたため。
- 自宅が高く売れる可能性があり売却益を元手に買い替えたいため。
買い替えのきっかけから目的を明確にし、条件と期限を把握する
●新居の条件を明確にする
なぜ買い換えたいのか、買い替えの目的を明確にすることで「どんな新居を探したいのか」「どのような条件の物件を求めるのか」物件条件を明確にすることが出来ます。
住まい探しでは、すべての希望を満たす物件が見つかるとは限りません。そのため、「譲れない条件」と「できれば満たしたい条件」をあらかじめ整理しておくと、物件を比較・検討しやすくなります。
●買い替え期限を明確にする
買い替えは、家の購入と売却の両方のスケジュールを調整する必要があるため、通常の購入のみ、売却のみよりも日程調整が難しくなってしまいます。
新居への引っ越し時期を明確することが出来たら、そこから逆算して「新居探し」「購入手続き」「現在の住まいの売却」「引っ越し」など工程ごとにスケジュールを具体的すると、現在の状況を把握しやすくなるためおすすめです。
買い替えに適したタイミングや条件を考える
実際に買い替えるのに適した時期や、売却しやすい物件などの条件があります。ここでは3つのポイントをご紹介させていただきます。
(1)買いやすく売れやすい時期を知る
●人の移動が活発な1月~3月が繁忙期
不動産売買の取引が最も多くなるシーズンは1月~3月となっており、最も売買取引が多くなる月は3月※1となっています。
新年度を迎えるにあたり就職・進学・転勤など人の移動が活発になる時期は、家を買いたい人と売りたい人も多くなるとみられています。
正月終わりから少しずつ物件を探すユーザーが増加し、3月に購入取引数のピークを迎えます。1月~3月の繁忙期は売買取引が活発で、購入希望者が増えるシーズンとなります。
●秋の需要高まる9月~11月が繁忙期
1月~3月の次に取引が多いシーズンが秋の9月~11月です。会社の転勤や移動などが多い時期となるため、それにあわせて購入希望者が増えているとみられています。
※1:不動産流通機構(レインズ) 月例マーケットウオッチより
https://www.reins.or.jp/library/2026.html
(2)売却成功のために中古住宅の購入理由を知る
中古住宅の購入者がどのような点を重視して物件を選んでいるのかを知ることで、現在の住まいを売却する際に、どのような点をアピールすればよいか考える材料になります。
国土交通省の令和7年度住宅市場動向調査報告書によると、中古住宅の選択理由は以下のような回答となっています。
中古一戸建て 住宅の選択理由(複数回答)
| 1 | 価格が適切だったから | 62.5% |
|---|---|---|
| 2 | 一戸建てだから | 53.8% |
| 3 | 住宅の立地環境が良かったから | 36.8% |
| 4 | 住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから | 28.5% |
| 5 | 昔から住んでいる地域だったから | 24.1% |
| 6 | 交通の利便性が良かったから | 18.2% |
| 7 | 親・子供などと同居した、または近くに住んでいたから | 17.0% |
| 8 | 子育てに適した環境だったから | 11.9% |
| 9 | 職場から近かったから | 11.1% |
| 10 | 信頼できる住宅メーカーだったから | 9.5% |
| 11 | 11災害発生リスクの低い地域だったから | 7.9% |
| 12 | 将来、売却した場合の価格が期待できるから | 7.1% |
| 13 | 適切な維持管理が見込めるから | 2.0% |
| 14 | その他 | 2.0% |
| 15 | 無回答 | 0.4% |
中古マンション 住宅の選択理由(複数回答)
| 1 | 価格が適切だったから | 64.2% |
|---|---|---|
| 2 | 住宅の立地環境が良かったから | 46.6% |
| 3 | マンションだから | 41.5% |
| 4 | 住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから | 39.0% |
| 5 | 交通の利便性が良かったから | 36.1% |
| 6 | 昔から住んでいる地域だったから | 22.7% |
| 7 | 信頼できる住宅メーカーだったから | 16.9% |
| 8 | 将来、売却した場合の価格が期待できるから | 14.4% |
| 9 | 親・子供などと同居した、または近くに住んでいたから | 14.1% |
| 10 | 災害発生リスクの低い地域だったから | 12.5% |
| 11 | 子育てに適した環境だったから | 11.2% |
| 12 | 適切な維持管理が見込めるから | 10.5% |
| 13 | 職場から近かったから | 9.9% |
| 14 | その他 | 1.0% |
| 15 | 無回答 | 0.6% |
国土交通省 令和7年度住宅市場動向調査報告書
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002012180.pdf
●適正価格・立地環境・設備や広さ・交通の利便性が上位
中古物件を選んだ理由は、中古一戸建て・中古マンションともに同じような項目が上位をしめています。
まず、中古一戸建て・中古マンションの両方で最も多かった購入理由は「価格が適切だったから」で、いずれも60%を超えています。
また、立地環境や交通の利便性、住宅のデザイン・広さ・設備なども、多くの購入者が選択理由として挙げており、価格・立地・設備の3つのポイントが中古物件の購入する上で重要な要素になっています。
(3)買いと売りの進め方を知る
家の買い替えは「自宅を売却」「新居を購入」の2つを同時期に行う必要があります。まったく同時におこなうことはとても難しいため、どちらかを先行させる進め方が一般的です。
自宅の売却を先行させる「売り先行」と新居の購入を先行させる「買い先行」について、それぞれの特徴やメリット・デメリットをご説明いたします。
売り先行の買い替え
売り先行の特徴や流れとは?
住んでいる自宅の売却を先行しておこない、売却後に新居を購入する方法です。
自宅の売却を先におこなうため、住宅ローン残債がある場合はその代金で清算をおこない、住宅ローン完済の場合は売買代金から諸経費を引いた金額を購入資金に充てることが出来ます。
売り先行のメリット
●二重ローンになるリスクを抑えられる
自宅の住宅ローンが残っている状態で新居を購入すると、売却と購入のタイミングによっては、一時的に現在の住宅ローンと新居の住宅ローンを並行して返済する「ダブルローン(2重ローン)」の状態になる場合があります。
売却を先行して現在の住宅ローンを完済してから新居を購入すれば、こうした二重の返済期間を避けたり、重複期間を短縮できる可能性があります。
●資金計画が立てやすい
自宅の売却価格や住宅ローンの残債、売却にかかる諸費用とそれらを引いて残る売却益を把握した上で、新居探しをおこなうことが出来ます。
住宅ローンを完済できるかどうか、諸経費を引いて手元に残る金額はいくらなのか、などを把握出来るため無理のない資金計画がたてられます。
●売却価格を検討する時間を確保しやすい
時間にゆとりがある場合、新居の購入を先に決める必要がないため、買い先行よりも売却の期限に追われにくくなります。そのため、納得が出来る売却価格や販売方法を検討し実践する時間を確保することが出来ます。
売り先行の注意点やデメリット
●売却後、購入までの仮住まいが必要になる可能性がある
自宅を売却し、引き渡しをおこなう時点で新居が決まっていなければ、仮住まいの場所として賃貸物件を借りる必要があります。その場合、賃貸の家賃と2回の引越し費用がかかってしまいます。
●売却が早く決まると新居探しを急ぐ必要がある
売却が予定より早く決まったが新居探しが進んでいない場合や、売却が決まった後に新居を探す場合、仮住まいを避けるためには早々に新居を決める必要があります。
買い先行の買い替え
買い先行の特徴や流れとは?
先に新居を購入したのち、自宅の売却をおこなう方法です。
自宅の住宅ローンを完済している場合や、新居の購入資金を十分に確保できる場合は、現在の住まいを売却する期限を気にせず、新居探しに時間をかけやすくなります。
また、新居の購入契約を結ぶ際に、現在の自宅が一定の期日までに売却できなかった場合に契約を解除できる「買い替え特約」を設定する方法もあります。
特約の内容や解除の条件、手付金の取り扱いなどは契約によって異なるため、設定する場合は売主・買主双方が条件について合意し、契約書に明記する必要があります。
買い先行のメリット
●仮住まいは原則不要
新居を決めてから売却をおこなうため、新居へ引っ越せる状態であれば基本的に仮住まいは必要ありません。その場合、仮住まいの家賃や2度の引越し費用は必要ありません。
●新居探しに時間をかけられる
購入を先行するため、現在の自宅の売却期限に追われることなく、新居を探す時間を確保しやすくなります。希望する条件に合う物件をじっくり比較・検討することができます。
●新居に引っ越した場合、空き家で売却できる
新居へ引っ越した後に自宅の売却活動を始めれば、家具や荷物を片付けた状態で内覧してもらうことができます。室内をすっきり見せられるため、購入希望者が間取りや広さを確認しやすくなります。
買い先行の注意点やデメリット
●二重ローンとなってしまう可能性がある
自宅の住宅ローンが残っている状態で、新居も住宅ローンを利用して購入する場合、売却が成約し売却代金で残債を清算するまでの間、2つのローンを同時に返済しなければならなくなります。
その結果、毎月の支払い額が多くなり家計の負担が大きくなってしまいます
●資金計画にズレが起こると自己負担が増える可能性がある
新居購入後、自宅の売却計画が思い通りに進まないと、売却希望額や売却希望日を変更せざるを得ない場合があります。売却までの期間が長引けば、二重ローンの返済期間も長くなる場合があります。
そのため、新居の購入前に、自宅の査定価格や住宅ローン残高などを確認しておくことが重要です。
●売却期間が長引くと維持費の負担が増える
自宅の売却活動が長引くと、売却が完了するまでの間も固定資産税などの税金や、マンションであれば管理費・修繕積立金などの維持費がかかり続けてしまいます。
買い替えのポイントまとめ
目的を明確にして希望条件や期限を把握することが重要
●時期、条件、方法を知る
- 不動産の売買取引は1月~3月が多く、秋は9月~11月に増える
- 購入者は価格、立地、住宅設備が購入理由になっている
- 自宅の売却を先行させる「売り先行」と新居の購入を先行させる「買い先行」がある
●自宅の売却を先行させる「売り先行」
- メリットは資金計画をたてやすく、売却期間を確保しやすい
- デメリットは仮住まいが必要となるケースや新居探しを急がないといけないケースがある
●新居の購入を先行させる「買い先行」
- メリットは仮住まいの費用負担を抑えられ、新居探しに時間をかけられる
- デメリットは売却が長引くと二重ローンや維持費負担が増える可能性がある
売りと買いを上手に調整することがポイント
買い替えは売りのタイミングと買いのタイミングを合わせるスケジュール調整が重要になります。
たとえば、売りと買いを同じ不動産会社で進めることも上手なスケジュール調整方法の一つです。福屋不動産販売では、全国90店舗以上の直営店が、購入と売却の両面をサポートいたしますので、ご検討の際はお気軽にご相談ください。















