フラット50は、最長50年という長期間で返済できる住宅ローンで、毎月の返済額を抑えやすいというメリットがあります。
今回はフラット50の特徴や、メリット・デメリットなどについてご紹介させていただきます。
目次
フラット50とは?
フラット50とは、返済期間が最長50年と長い返済期間を設定できる特徴があります。
国の機関である「住宅金融支援機構」と、銀行などの金融機関が連携して提供している住宅ローンで、借りたときの金利が返し終わるまで変わらないため、返済額がずっと一定な点も特徴の一つですとなっています。
フラット50が利用できる物件
フラット50は申し込みが出来る購入物件に条件があることが特徴の一つです。
たとえば、フラット50よりも短い返済期間のフラット20やフラット35は技術基準に適合する住宅であれば申し込み出来ます。
しかし、フラット50は購入予定の物件の技術基準の適合に加え、(1)長期優良住宅、(2)予備認定マンション、(3)管理計画認定マンションのいずれかであることも必須条件となっています。
※以前は「長期優良住宅」のみが対象でしたが、2025年10月の制度改正により「予備認定マンション」「管理計画認定マンション」でも利用できるようになりました
(1)長期優良住宅とは?
国が定めた基準を満たした「長く住み続けるための措置が講じられた性能の高い住宅」で、一戸建ての住宅とマンションのどちらもあります。
主な認定基準
・劣化対策
・耐震性
・維持管理、更新の容易性
・省エネルギー性
・居住環境への配慮
・住戸面積
・維持保全計画
・災害配慮
・可変性(共同住宅と長屋)
・バリアフリー性(共同住宅と長屋)
参考:国土交通省 長期優良住宅認定制度の技術基準の概要より
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001970912.pdf
(2)予備認定マンションとは?
新築分譲段階で「将来の管理規約」や「長期修繕計画案」などが国の定めた基準に適合していると、公益財団法人マンション管理センターが審査し、事前に認定(予備認定)した新築マンションのことです。
適合基準 (予備認定基準より)
- 管理組合の運営:管理者や監事の選任、利益相反の防止、総会招集について
- 管理規約(案):災害時の立ち入りや修繕履歴の管理、財務情報の開示について
- 管理組合の経理:管理費と修繕積立金が明確に区別されているかについて
- 長期修繕計画(案)の作成及び見直し等:将来の修繕計画や資金に無理がないか
参考:公益財団法人マンション管理センター 予備認定基準(令和7年2月1日基準)より
https://www.mankan.or.jp/cms-sys/wp-content/uploads/2025/01/ac77ef061aeacdfedcd97a0b13d66e39.pdf
(3)管理計画認定マンションとは?
分譲マンションの維持管理や修繕計画などが良好であると地方公共団体(市・特別区・都道府県)から公的なお墨付きを得たマンションのことを言います。
適合基準 (管理計画認定制度より)
- 管理組合の運営:役員選任と総会開催など
- 管理規約:規約作成と必要事項の整備
- 管理組合の経理:区分経理と滞納対策
- 長期修繕計画:計画期間30年以上・7年以内見直し
- その他:名簿備付と指針適合など
参考:国土交通省 管理計画認定制度より
https://www.mansion-info.mlit.go.jp/certification/?utm_source=chatgpt.com
フラット50が出来たきっかけと目的
フラット50は、100年にわたって長く住み続けられる家(長期優良住宅)の普及を促進するために2009年6月に取り扱いが開始されました。
良い建物を長く大切に使う
かつて日本の住宅は30年程度たったら建て直す「スクラップ&ビルド型」が一般的でしたが、環境保全や資源の有効活用の観点から、数世代にわたって長く住み続けられる「ストック型」への転換がおこなわれました。
また、耐久性・耐震性・省エネ性に優れた高機能住宅は、一般的な住宅よりも建築コストが高くなる傾向にありますが、フラット50では借入期間を長くすることで、毎月の返済額を抑えられるという特徴もあります。
フラット50の特徴
フラット50を20歳で最長の50年で利用した場合、70歳まで返済が続く住宅ローンです。
借入期間を最長50年に設定できる、全期間固定金利のため、金利変動の影響を受けないなどの特徴がありますが、他にも下記のような特徴があります。
1. 商品の基本的な特徴
- 借入期間は最長50年または80歳までのいずれか短い方
- 全期間固定金利
- 長期優良住宅などが対象
- 金利は融資率などで異なる
- 長期返済で毎月の返済額を抑えられる
- 返済期間が長いほど総返済額が増える場合がある
- フラット20やフラット35との併用が可能
- 取扱金融機関で申し込む必要がある
- 保証人、保証料は原則不要
- 団信未加入でも可能
- 繰上返済手数料は原則不要
2. 借入額・借入期間
- 借入額は原則100万円〜1億2,000万円
- 単独利用なら住宅取得額の90%以内
3. 申込条件
- 本人や親族が住む住宅に利用できる
- 新築・中古住宅の取得に利用できる
- 条件を満たせば借換えにも利用できる
- 投資用住宅には利用できない
- 年収400万円未満なら返済負担率30%以下
- 年収400万円以上なら返済負担率35%以下
- 条件を満たせばペアローンが可能
- 親子リレー返済では後継者の年齢を基準にできる
- 収入合算には年齢要件の特例がある
4. 対象住宅の条件
- 対象は長期優良住宅などの所定の認定住宅
- 機構の定める技術基準への適合が必要
- 中古住宅には別途技術基準がある
- 一戸建ては原則50㎡以上、マンションは原則30㎡以上
- 併用住宅は住宅部分の床面積に条件がある
- 共有名義の住宅には所定の条件がある
5. 返済・保険・担保
- 返済方法は元利均等・元金均等から選択可能
- 借入額の40%以内でボーナス払いが可能
- 団信の保険金は所定の条件で残債返済に充てられる
- 住宅と敷地に第1順位の抵当権を設定する
- 返済終了まで所定の火災保険への加入が必要
フラット50とフラット35・民間金融機関との違い
住宅ローンは銀行などの民間金融機関が独自におこなっているものと、フラット50やフラット35のように公的機関と民間金融機関が連携して提供しているものがあります。
それぞれの違いには以下のようなものがあります。
住宅ローンの特徴比較表
| 比較項目 | フラット50 | フラット35 | 大手銀行の住宅ローン |
|---|---|---|---|
| 主な特徴 | 長期返済で月々の負担を抑えやすい | 金利を固定して計画を立てやすい | 金利タイプや商品を幅広く選べる |
| 金利タイプ | 全期間固定 | 全期間固定 | ・変動金利 ・固定期間選択型 ・全期間固定など |
| 借入期間 | 最長50年 | 最長35年 | 35~40年 |
| 申込年齢上限 | 原則44歳未満 | 原則70歳未満 | 概ね70歳未満 |
| 対象住宅 | 自身や家族の居住目的の住宅で、所定の技術基準を満たす、長期優良住宅・予備認定マンション・管理計画認定マンションのいずれか | 自身や家族の居住目的の住宅で、所定の技術基準を満たす住宅 | 自身や家族が居住するための住宅 |
| 金利の変動 | 完済まで変わらない | 完済まで変わらない | 変動型は金利が変わる |
| 金利上昇リスク | なし | なし | 変動型ではあり |
| 審査 | 所定の基準で審査 | 所定の基準で審査 | 銀行独自の基準で審査 |
| 団信 | 未加入でも可 | 未加入でも可 | 原則必須 |
| 保証人 | 原則不要 | 原則不要 | 商品により異なる |
| 保証料 | 原則不要 | 原則不要 | 商品により異なる |
フラット50の利用条件
フラット50を利用するための条件は「申込者に関する基本的な要件」と、「購入を予定している住宅に関する要件」の主に2つがあります。
申込者の条件
フラット50の申込者に関する条件は以下の通りです。
●基本
- 借入期間36年以上50年以下
- 年齢が申し込み時に満44歳未満かつ完済時が満80歳未満である
※親子リレー返済を利用する場合は満44歳以上でも申込可能 - 日本国籍か、永住権の所持者または特別永住者
●借入可能額と使用用途
- 100万円以上1億2,000万円以下(1万円単位)
- 購入価格の9割以内
- 申込者本人またはその親族が住むための住宅の購入費用や建設費用
※投資用物件や店舗物件は不可、店舗併用住宅の場合は住宅の費用のみ
●その他
- 保証人は不要
- 団体信用生命保険の加入は任意(未加入でも利用可能)
購入予定の住宅に関する条件
フラット50の融資対象となる住宅に関する条件は以下の通りです。
●対象住宅の条件
- 住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合し適合証明書を取得できること
- 長期優良住宅、予備認定マンション、管理計画認定マンションのいずれかであること
- 接道義務に適合していること
- 一戸建てなら50㎡以上、マンションなら30㎡以上
- 断熱構造が所定の基準を満たしていること
- 耐火構造もしくは準耐火構造もしくは耐久性基準に適合していること
- マンションにおいて管理規約があること
- マンションにおいて長期修繕計画が20年先までの計画書があること
- 敷地が借地の場合は取り扱い金融機関による
●担保
- 対象住宅とその敷地に対し第一抵当権を設定できること
●火災保険
- 返済終了までの間、火災保険に加入すること
- 建物の損害を補償対象とし、保険金額は借入額以上とすること
※保険会社等の基準で算出した金額(評価額)が借入額を超える場合は評価額を適用
フラット50 ご利用条件は以下よりご確認いただけます
https://www.flat35.com/loan/lineup/flat50/conditions.html
親子リレー返済でフラット50を利用する
親子リレー返済とは?
親子リレー返済とは、申込者と後継者(子や孫等の直系卑属、またはその配偶者)が2世代にわたって返済する住宅ローン制度のことです。
通常のフラット50と違い、申込者本人が満44歳以上でも申込することが出来ます。
親子リレー返済の申し込み条件
後継者が、次の条件をすべて満たしていること
- 後継者は申込者の子ども・孫等(申込者の直系卑属)もしくはその配偶者である
- 後継者に定期的な収入がある
- 後継者の申し込み時の年齢が満70歳未満である
- 後継者が連帯債務者となること
詳しくは親子リレー返済の後継者の要件のページをご参照ください
https://www.flat35.com/loan/lineup/oyako/index.html
ペアローンでフラット50を利用する
ペアローンとは?
ペアローンとは、1つの物件購入にたいして、ご夫婦や親子やパートナーが、それぞれが独立した個別の住宅ローンを申し込み2人で返済していく制度です。
一方がフラット50、もう一方がフラット20やフラット35にすることも可能です。
フラット35やフラット20と組み合わせた場合の融資率
ペアローンが2つとも「フラット50」の場合、融資率は購入価格の9割ですが、どちらか片方が「フラット35」や「フラット20」の場合は、購入価格の10割融資が可能となります。
※ただし「フラット50」単独の融資率は9割以下となります
ペアローンの5つの特徴
(1)借入総額を増やせる
双方別々の年収ベースで査定されるため、単独での審査よりも大きな金額の借り入れが可能な場合があります。
(2)それぞれ別の返済期間を設定できる
1人はフラット50、もう1人はフラット20にするなど、別々のプランにしたり、双方フラット50だけど返済期間を一方は40年、もう一方は50年に設定したりするなど、別の返済期間を設定することも可能です。
(3)それぞれ団体信用生命保険に加入できる
それぞれ別で加入することが出来るため、万が一どちらかが亡くなったり所定の身体障害状態になったりしたとき、その人の住宅ローン残債はゼロになります。ただし、もう一方の住宅ローン返済はそのまま続くため注意が必要です。
(4)それぞれ返済口座を別にできる
返済口座を別に設定できるため、わざわざ一方の口座へ資金を移動させる手間がなくなります。
(5)条件を満たせば金利優遇を受けられる
条件を満たせば金利引き下げ制度を利用することが可能です。
ペアローンの申し込み条件
ペアローンを利用する際の申し込み条件は、上記に記載した「フラット50の主な2つの利用条件」と基本的には同じとなります。
尚、ペアローンでは一方の申込者は、もう一方の申込者から見て収入合算の対象要件に該当する必要があります。
収入合算要件
- 申込みご本人の親、子等の直系親族または配偶者
- 申込時の年齢が満70歳未満の方
- 申込みご本人と同居する方
- 連帯債務者になる方
収入合算については下記ページをご参照ください
https://www.flat35.com/loan/lineup/pair/index.html
フラット50のメリット・デメリット
メリット
(1)毎月の返済額を抑えられる
フラット50は返済期間を最長50年まで設定できます。返済期間を長くすることで月々の返済額を抑えることが可能です。
(2)金利上昇の影響を受けない
全期間固定金利のみとなるため、借入時の金利が完済まで変わりません。そのため、市場金利が上昇しても住宅ローンの金利に影響がでないため、毎月の支出額を把握しやすく、家計管理しやすい特徴があります。
(3)フラット35やフラット20と併用可能
フラット50は、フラット35やフラット20と組み合わせて利用することができます。フラット50では購入価格の9割までしか借りることが出来ませんが、残り1割をフラット35で借りることもできます。この場合、最初の35年間は2つのローンを返済し、36年目からフラット50のみの返済となります。
(4)住宅の売却時に金利を引き継げる
フラット50には「金利引継特約」があり、売却する際に買主にフラット50の住宅ローン残債の債務と借入金利を引き継がせることが出来ます。売却時点での市場金利が引き継ぐ金利よりも高い場合は購入者にとってもメリットになります。
(5)保証人や保証料が不要
単独でフラット50を利用する場合、保証人や保証料などは不要となります。ただし、親子リレー返済やペアローンでは、通常の単独借入とは異なる債務関係となります。
(6)繰り上げ返済の手数料が無料
返済期間を短くしたり(期間短縮型)、返済額を少なくしたり(返済額軽減型)するための繰り上げ返済の手数料は原則無料となっております。また、回数制限もないため、何度おこなっても手数料は無料です。ただし、事前申し込みや最低金額の制限などがあります。
デメリット
(1)返済総額が増えやすい
返済期間を長くすると毎月の返済額は抑えられますが、利息を支払う期間も長くなります。借入額や金利など同じ条件であれば、基本的に返済期間が長い方が総返済額は多くなります。
(2)完済する年齢が高くなる
最長50年で返済する場合、完済時の年齢も高くなります。20歳で借りた場合でも70歳で関西となるため、定年退職後も返済が続く可能性高くなってしまいます。そのためにも老後の生活費や収入を考慮した資金計画は重要になります。
(3)融資の対象住宅が限られる
フラット50は長期優良住宅、予備認定マンション、管理計画認定マンションのいずれであることが必須条件となります。この3つ以外の一般的な住宅ではフラット50は利用することが出来ません。
(4)頭金が必要になる場合がある
フラット50単独での借り入れの場合、住宅の建設費や購入価額の9割までしか借りられません。そのため、残りの費用は自己資金などで用意する必要があります。ただし、フラット35やフラット20と併用することで10割の借り入れも可能となります。
(5)金利が高くなる場合がある
フラット50の金利は融資率や団体信用生命保険の種類などによって異なりますが、フラット20やフラット35と比べて高くなる傾向にあります。
フラット50が向いている人とは?
様々な住宅ローン商品がありますが、フラット50に向いている人の特徴をご紹介させていただきます。
向いている人の特徴
●返済額を抑えたい、安定させたい方
- 毎月の住宅ローン返済額を低く抑えたい方
- 金利の変動を気にせず、支出を安定させたい方
●長期間の返済
- 20代から30代前半の若年層で購入したい方
- 老後に備えた資金計画をたてられる方
●住宅にこだわりたい方
- 長期優良住宅などの購入、建築を検討している方
- 長く住めるよう住宅の性能や品質にこだわりたい方
逆に向いていない人の特徴
- 住宅ローンの総返済額をできるだけ抑えたい方
- 住宅ローンを早く完済したい方
- 対象となる住宅の購入予定がない方
- 将来転居や売却などの可能性がある方
- 年齢が高く定年後の支出を抑えたい方
まとめ
フラット50とは、最長50年の長い返済期間を設定でき、借入時の適用金利が返済まで変わらない全期間固定金利の住宅ローンです。
購入できる住宅が限られており、機構の定める技術基準への適合に加え、長期優良住宅・予備認定マンション・管理計画認定マンションのいずれかであることが必須条件となっています。
月々の返済額を抑えられますが、定年後も支払いが続く可能性があります。フラット50のメリットとデメリットをしっかりと把握し、将来の資金計画や購入住宅などをふまえた検討が重要になります。
住まい探しで住宅ローンにお悩みの際はお気軽にご相談ください。




















